2014年12月15日月曜日

【開催レポート】地域資源×ITアイデアワークショップin弘前

人・モノ・自然など、地域にある様々な資源を活用している方々の課題解決のため、ITができることは?

2015116日~118日に開催される「地域資源×ITマッチングワークショップ」での試作品開発に向けた、課題解決のためのアイデアワークショップを弘前市にて開催いたしました。


▼日時:20141213日(土)13:0017:00
▼会場:弘前市総合学習センター 視聴覚室
▼参加者:IT関係11名、学生2名、その他(民間企業、教育機関他)10名 計23
▼主催:青森県
▼企画運営:株式会社サン・コンピュータ
*本セミナーは、青森県「ITビジネスアイデア開発支援事業」により開催致します。



▼プログラム
13:00 インプット『ワークショップの進め方について』
13:40 ブレインストーミング『身近な地域資源って何だろう?」
14:00 2×2思考分析『地域資源にはどんな効果・成長力があるか』
14:30 テーマから生まれる幸福度の対話
 <チームA
  『体の不自由な人が自由に旅行できると?』
 <チームB
  『自然の大切さを次世代に伝えられると?』
 <チームC
  『りんご農家の現状を消費者の人たちに知ってもらえると?』
 <チームD
  『地元のおばあちゃんたちのハンドメイド作品が売れると?』
14:45 強制連想
15:30 アイデアシート作成
15:45 ブラッシュアップワーク『発表と付け足し』
16:15 アイデアシート清書
16:40 アイデア発表・投票
16:55 ワークショップのまとめ
17:00 各種ご案内・終了



【ワークショップ詳細】
13:00 インプット『ワークショップの進め方について』
・システム思考×デザイン思考=イノベーション思考
・共感することが重要
・与えられた大きいテーマを解決するために、なるべく細かく問題を考える(木を見て森を見る)
・勘ではなく論理的視点で考える
・発散したアイデアを収束させる

13:40 ブレインストーミング『身近な地域資源って何だろう?』
・参加者の皆さん自身が「地域資源」だと感じるものを、思いつく限りたくさんあげてもらいました。


14:00 2×2思考分析『地域資源にはどんな効果・成長力があるか』
・ブレインストーミングで出た地域資源には、どんな効果があるかを分析・整理します。
(縦軸に「大衆的⇔マニアック」、横軸に「儲かる⇔自己満足」という軸を作り、どこに位置するか考えます。)


14:30 テーマから生まれる幸福度の対話
・チームごとにテーマが割り振られ、そのテーマが実現したら「誰が」「どのように」幸せを感じるのかアイデアを出し合います。
・各チームに設定されたテーマは以下の通りです。
<チームA
『体の不自由な人が自由に旅行できると?』
<チームB
『自然の大切さを次世代に伝えられると?』
<チームC
『りんご農家の現状を消費者の人たちに知ってもらえると?』
<チームD
『地元のおばあちゃんたちのハンドメイド作品が売れると?』


14:45 強制連想
考える方向性を示してそれに結び付くアイデアを発想する手法です。


15:30 アイデアシート作成
・強制連想で出たアイデアの中からひとつアイデアを選び、アイデアシートを作成してもらいます。


15:45 ブラッシュアップワーク『発表と付け足し』
・チーム内でアイデア発表と、発表されたものに更にアイデアの付け足しをしていきます。


16:15 アイデアシート清書
・ブラッシュアップワークで出たアイデアの中で良いアイデアがあれば、追加で書きます。

16:40 アイデア発表・投票
・各チームで最終アイデア発表と投票を行いました。また、票の獲得が多い方には参加者全員の前でも発表をしてもらいました。


以上でイベントの全プログラムが終了です。
参加して頂いた皆様、ありがとうございました!


このワークショップで出されたアイデアは来年1月に開催する試作品開発イベント「地域資源×ITマッチングワークショップ」の題材となります。
イベントに関する詳細は下記リンクよりご覧ください。



※また124日に同様のワークショップを青森市にて開催いたしました。
開催レポートもございますので、詳しくは下記リンクよりご覧ください。

2014年12月11日木曜日

【開催レポート】基礎からはじめるiBeaconハンズオン講座

昨年度発売され何かと話題のiBeaconですが、聞いたことがあるけどよく知らない、クライアントからニーズがあったけど、よく分からない。取り組みたいが、開発フローが分からないなどの課題が上がります。
そこで有限会社トリガーデバイスの佐藤氏を講師にお招きしiBeaconの基本的な仕組を実例を交えご紹介頂き、開発フロー及びやらなくてはいけない事のおおよそなどを学ぶ機会とさせて頂きました。

<開催概要>
▼日時 : 2014123() 13001745
▼場所 : リンクステーション青森 小会議室(3)
▼参加費:無料
▼主催 : 青森県
▼企画運営 : 株式会社サン・コンピュータ

※本セミナーは、青森県「ITビジネスアイデア開発支援事業」により開催致しました。

▼プログラム
①「iBeacon開発セミナー」iBeaconについての解説を行います。
②「開発ハンズオン」iBeaconを使ったコンテンツ開発を習得します。
③「アイデアワーク」iBeaconの活用方法を考えるワークです。
④「プロトタイプ開発」アイデアの試作品を作成しました。

▼講師: 佐藤 忠彦氏 (有限会社トリガーデバイス 代表)
  村瀬 真博氏 (有限会社トリガーデバイス ソフトウェアエンジニア)






iBeacon Apple 社の商標ですが、Bluetooth Low EnergyBLE)を使ってAndroid端末にも同様の施策が可能、スマートフォン全体で使えることでさらに大きな効果が見込まれます。
20139-11月の日本のスマートフォンにおけるiPhoneシェアは約7割近くまでになっています。
技術的な面でもiBeacon が注目されている理由。それは、iBeaconiOS に組み込まれていることです。

<ビーコンが届く距離のレンジ>

ビーコンと端末(iPhone)との距離
    2㎝、1m、10m と設定が出来る。
    距離は環境にも左右される。 
  (人体や障害物に影響を受ける。地上に設置すると人体の水分を通過できない為に認知しない場合がある。)
課題 : 天井に設置する時、専門的な技術がないと大変な作業となる。

<iBeaconが動作するための、3つの必須ポイント>

    アプリがないと利用できない (アプリを立ち上げていなくても通知が来る)
    BluetoothONにしていないとダメ。
    Ios7以降じゃないと使えない。

発売されて間もないビーコンの案件はまだまだ少ないので佐藤氏はワフーと連携してデザインをパターン化し、営業用ツール用のカードを作成されました。

例  モチベーション ユーザーがお得感・データー・パーソナライズ
   表の目的・お客様のロギング ユーザー分析
   裏の目的・クーポンの利用利益    

検索のタイミングやモチベーション等、数枚を組み合わせて使用する事で解りやすい営業ができます。






<実例>

        岐阜の観光地アプリ~自転車に乗りながら観光ポイントをナビゲーション


◎開発フロー ディレクター:ビーコン設置個所の検討とデザインパターンの決定
 
・反応エリアの決定(スポット、ゲート、エリア)
 ・検出タイミング(フォアグランド、バックグランド、ロック画面)
 ・検出距離(どれぐらい近づいたら?)
 
 上記を決めたら現場で実験
 ・反応エリアを満たすためのビーコンの設置
 ・検出タイミングを満たすためのビーコンの設定
 ・検出距離を満たすためのビーコンの設定

◎問題!開発フロー:現場で実験→ビーコン設置
今回の案件はフェーズが重要だった。許可が取りやすい場所を基本に設計していく。
観光地特有の問題かもしれないが、商業施設でも店舗経営者とビルの所有者が違ったり、パブリックなスペースを含んだりしていることは多いので、設置問題は十分に検討する必要がある。

        東京の店舗アプリ~イベント会場と店舗を繋ぐ
IMA CONCEPT STORE
 六本木にあるコンセプトストアのアプリ。
イベント時にイベント会場と店舗に訪れた方に特典を発行。簡易スタンプラリー形式。

 3.  美濃ビーコン

地元商店街のIT化のきっかけに開発に取り組む。
プロジェクトメンバーが体験会を美濃市で継続的に行っている。(9回開催)リリース後の反応とその後の展開として、90%以上の人が「あるといい」との声が上がる。
 
 気になった点
 ・音声がいきなり流れてびっくりする人がいる。
 ・ビーコンの設置位置は見えるところにあったほうがいい。
 細かな注意点
 ・危惧していた問題 電池切れ
   美濃市の3か所は 3か月で切れた(単三2本で2年のはず)
 ・バックグランドで場所を検知するだけでいいのであれば、あまりバッテリーは消費
  しないが、フォアグランドで常にビーコンとの距離を測っていたいのであれば、
  バッテリーを消費する。
ビーコンの注意点
 ・システム側に嬉しい機能
 ・GPSのシステムとは違う
 ・リアルな実験設置が必要 細かなtips
 ・見守り系は安定的な商品である
▪AppStore申請のリジェクト
  動作の肝心な部分は再現不可能、簡単なビデオを作っておくとよい。

iBeaconの事例>

AYATORI MACH
 AYATORI MACHアプリに自分の趣味を登録し、同じ趣味の人とすれ違うと光るアクセサリー「AYATORI」が光りだす。
京都市営バス
  バスが近づいてきたことをバス停のディスプレイに反映させ、バスを待っている利用者にバスの接近を知らせる。
 今人気なのはスマホでオーダー出来るアプリ
中国火鍋専門店小肥羊
 アプリでのオーダー受付、注文するユーザーの位置を特定するのに利用。
・相手を思いやった注文ができる(ビールがなくなりそうな時…アプリで頼めると嬉しい)

 <開発ハンズオン>

▽自分で作ったコンテンツで試すには

        コンテンツを作る
        コンテンツを圧縮する
        圧縮したファイルをドロップボックスにアップロードする
        ビーコンワークショップアプリからドロップボックス経由でコンテンツを取り込む

▽コンテンツ作成の手順

          コンテンツデータの設定
          ビーコン領域の登録
          ビーコン領域と表示コンテンツの紐づけ
          表示コンテンツ作成
配布するサンプルテンプレートは今回使うビーコン情報が設定済み
(1~3の手順が不要)

※今回は一から作るのは大変なので、サンプルを変えるというやり方。

▪BM1書き込み 距離の調整が可能

▪コンテンツ圧縮時の数点の注意が必要です。



いよいよ参加者の方もハンズオン。
講師の方も楽しそうなご様子です。
左は笑顔の講師、村瀬氏。右、お立ちになっているのは佐藤氏です。  
まずは触ってみて、次にiBeaconで何か面白い事は出来ないかアイディアワークで検討します。


              





【アイデアワーク】
Step1
<マンダラートの真ん中にトリガーとなりそうなキーワードを下記から選び置く>
(場面・場所)  
百貨店、飲食店、イベント会場、スーパー、コンビニ、山、地下街、駅

Step2
<周りを連想できる人で埋めていく>
・利用する人(ユーザー)
出来るだけ具体的に 例・百貨店→お金持ちの奥様
           ・スーパー → チラシを持っている奥さん
Step3
<アイディアシートの作成>
    左隣の人に記入したシートを渡し、面白いと思ったアイデアをシートに記入。
    アイデアの概要を作成。



皆さんそれぞれアイデアを発表します。スーパーマーケットでのサービスを提案されていた方が2名ほどいらっしゃいます。



 そして、時間が許す限りアイデアを試作品としてプロトタイプの作成へと取り組まれていました。


 <ご紹介として>
Beacon Broadcastar

というアプリが現状では一番お勧めです。
使いにくいアプリが沢山あるので注意が必要です。

▪アクセスはトータルフレームワークでビーコンを販売しているので設置が楽。

▪株式会社アプリックスもパッケージ商品を始めたそうです。
こちらの会社はチップ300円で発売、株価は5倍に伸びたそうです。

<感想>
飲食店・アパレルショップ等色々なテナントに設置、街づくりのためのイベント活用等可能性は無限大のiBeaconです。
テナント等に関しては、お客様の店内の動きがデータ蓄積される為、ユーザー分析に活用できます。お店側はクーポーンを配布することで購入動機に繋がる利点があります。
イベント等での活用は、データの集積と伴にスタンプラリー要素を組み込み楽しんでもらう事で、利用する両側にメリットがあります。
近い将来、様々なところで知らないうちにBeaconに触れている。そんな気がします。
この度、講師でいらして下さったお二方、楽しく実用的な講義をして頂きありがとうございました。





2014年12月10日水曜日

【開催レポート】ITサービス創出のためのAPI/ソリューション活用ワークショップ

ITサービスを開発するために利用できる既存のAPIやソリューションの活用方法を考えるセミナーとアイデアワークを行いました。
今回は、株式会社デンソーをゲストに招き、同社から開発企業やエンジニア向けに提供しているAPI等を素材として、青森の地域課題・地域資源をテーマに、活用方法を考えます。

▼日時:2014年12月9日(火)11:00~17:00
▼会場:ねぶたの家ワ・ラッセ 交流学習室2(青森市安方一丁目1-1)
▼主催:青森県
▼企画運営:株式会社サン・コンピュータ
※本セミナーは、青森県「ITビジネスアイデア開発支援事業」により開催致します。

▼プログラム
11:00 第一部・API/ソリューション解説セミナー
12:00 休憩
13:00 第二部・マッチングアイデアワーク
16:00 交流会・名刺交換


【第1部 インプットワーク】

講師:寺尾 由紀江氏(株式会社デンソー 情報通信基盤開発部 サービス開発室 開発1課 担当係長)
    鵜飼 拡基氏(株式会社デンソー 情報通信基盤開発部 サービス開発室 開発2課)

左:寺尾氏           右:鵜飼氏


デンソーさんから今回持ってきていただいたAPIについて解説していただきました。

○NaviCon URL発行API 
http://navicon.denso.co.jp/user/support/
NaviConとは、スマホとカーナビをBluetooth経由で繋ぐ事ができる仲介ツールです。
スマホで簡単に場所検索が出来たり、カーナビを遠隔操作出来たりします。
地図上の地点をカーナビの目的地として設定でき、連携アプリを使う事も可能。
カーナビと連携させなくても現在地の共有を友人同士ですることもできます。
今回は、NaviConを呼び出すためのURLを発行するAPIを提供してくださいます。

≪参加者からの質問≫
Q:NaviCon対応のカーナビはどれくらいあるのか?
A:ほぼどのメーカーでも対応ナビが出ているそうです。
 対応ナビについては、HPの方で確認できますが、今出てるカーナビは大体対応しています。
 しかし、NaviCon自体が3年前に出したものなので、3年前のカーナビやBluetooth機能がついていない物だと対応していないだろうとの事でした。
 NaviConは業界標準になりつつあります。

○MapQR
https://developer.navicon.com/login#contents_02
略地図とQRコードを組み合わせ、人も機械も読めるようになっている位置情報の2次元コードです。
QRコードは汎用的なバーコードリーダーで読み込み可能です。
NaviCon経由でカーナビに場所を送ることもできます。
トレーサビリティという利用状況を確認できる機能も今後つける予定だそうです。
提供してくださるAPIは、指定した場所の情報を持った地図付きQRコードを発行できるAPIでした。

○KKPーくるくるピッー
https://developer.navicon.com/login#contents_03
スマホのリモコン代わりになるものです。
運転中にスマホをカーナビ代わりに使う際など、スマホを手に持って操作できないシチュエーション下においてもスマホ利用をアシストしてくれます。
カーナビ以外にも、スマホの画面をテレビに映して遠隔で操作することも可能です。
KKPのAPIを使うと作成したアプリをKKPで操作することができます。

上記3点はWebでAPIを利用できます。
①アカウント登録
②アプリを登録した後IDを取得
③開発をサポートするライブラリを活用する
上記の手順をたどると、利用可能になります。
https://developer.navicon.com/login

○MIKAWAP(ドラレコアプリ)
http://www.mcpc-jp.org/csproject/pdf/14_mcpc_p16_denso.pdf
スマートフォンプローブを活用したヒヤリハットマップの作成ができます。
アプリを起動すると、クラウドサーバーに走行履歴や悪路検知の情報が発信されます。
ユーザーから発信された情報はWEBでほかのユーザーが閲覧できるというシステムです。
スマホアプリによる安全運転支援や、WEBによるヒヤリハット地点と走行ログの見える化が可能です。
スマホを利用するために発生する誤差を克服し、使用環境(端末特性、設置環境)に依存しないシステムを実現。
全ての端末で使用可能なアプリになっております。
現在はデンソー社員の方々が使ってマップを作成しているそうです。
サーバにて蓄積・生成される情報はAPIによる利用が可能です。

≪参加者からの質問≫
Q:走行中はずっとアプリが立ち上がっている状態なのか?
A:立ち上がっている状態になっています。

Q:パケットはどれくらい使うのか?
A:月で200位、使用者が負担します。
あまり負担をかけないように、長い動画を送りすぎないようにしたり、画質をおとして送っている工夫をしています。

Q:カメラで路面状況を取るという事だったら、道路の状況をセンサーとカメラで撮るのでは差が出るのか?
A:動画で取っているので段差がある地点の10秒前くらいから悪路の状態が分かります。
画像認識は今はしていません。
ビッグデータとして集まってくればデータを根拠とした分析ができるでしょう。
ノイズはできる限り取り除いているが、細かなディファレンスをどうするかということは課題です。

○SmartDrive
車両のトータルマネージメントを行うテレマティクスサービスです。
車載機では
・急制動時や長時間運転の注意喚起(音声)
・長時間アイドリングの注意喚起
・オイル交換時期の案内
・DTC、MILを利用した整備工場への誘導案内
ができます。

WEBでは
・運転評価
・緊急時のメール連絡
・日報、月報の自動生成
・運転軌跡表示
・燃費表示
ができます。

ユーザーの記録がWeb上にどんどん上がっていくので、車両管理がスムーズにできます。
MIKAWAP同様、サーバにて蓄積・生成される情報はAPIによる利用が可能です。

また、今回は紹介だけでしたが、下記のシステムもあります。
○き~★もび
カーシェアリングシステム。
カーシェアの事前予約ができます。

○ライフビジョン
http://www.lifevision.net/
タブレットを使用したサービスです。
電子化された回覧板というイメージが強いものです。
APIの公開はしていませんが、地域のインフラとして導入したら地域活性化につながるのではないかと考えているそうです。


【第2部 アイデアワーク】
テーマは地域資源のインタビューで出た課題です。
プロスポーツチームの「ファンとのつながりを深めたい」というものや、町の活性化、後継者不足など10個の課題が挙げられました。

その中から、実際にデンソーのAPIと繋げられそうなものを選んでアイデアを出していきます。

①マンダラート
最初のキーワードは「移動を楽しむ」。
時間制限の中で書いていきます。
同じワードが上がっていても、広げてみると違うワードが出てくるなど皆さんの個性がよく出ていました。

②10個の課題で人の移動が発生する場面を考えるワーク
・人の移動が発生する場面
・何が起こりそう?
・何に心が動く?
の三項目を考えていきます。
なかなか難しいワークだったようで、時間ぎりぎりまで悩んでいる参加者も見られました。

③シーズ&ニーズ マッチングマトリクス(強制連想)
デンソーさんから紹介されたAPIの中で、関心のある機能を縦軸に書いていきます。(シーズ)
同時に、②のワークで出したアイデアを横軸に書きます。(ニーズの状況)
APIとアイデアを掛け合わせたとき、どのようなアプリやサービスができるかを考え、書きました。

その後、2人1組になって5分間発表しあいました。
どんどんペアを変えていき、たくさんのアイデアを吸収しあいます。

④アイデアスケッチ
③で出たアイデアを10分間で具体的にまとめます。
多い人は3枚のアイデアスケッチを書いていました!
書き終わった後、他の人のアイデアスケッチを見て回りました。
見た中で「このアイデアイイね!」と思ったものには星を書きます。

⑤発表
アイデアスケッチで星10個以上だった三名の方のアイデアを発表していただきました。

♦体の不自由な方々でもストレスフリーに旅行できる旅行ガイドアプリ
 ・バリアフリー宿泊施設の検索機能。バリアフリー対応観光地の案内。
 ・旅の途中の情報や、その付近の観光情報を伝える。
 ・体が不自由な方が運転者となる場合、その日の体調管理・ドライブアシスト・ヒヤリハット注意喚起を行う。

♦遭難を防止するアプリ(名前:遭難を防止するそうなんです)
 ・入山記録の代わりに「入山場所」と「入山時間」を記録するアプリ。
 ・入山記録は誰も書かないと遭難時に捜索範囲が広くなってしまう。
 ・捜索範囲を狭めることにより、見つかりやすくなる。そうなると遭難が減り、環境教育の下地ができる。

♦思いやりNavi
 ・車いす専用トイレがあるのか、人工肛門の人でも使えるトイレなのかが事前に分かる。
 ・個室内におむつや尿取りパッドなどが自販機販売されているかもわかる。
 ・言葉が不自由な方でも目的地を伝えて、こっそり運転手のテクニックや対応を点数評価できるので、次の人が運転手の情報を乗る前に知ることができる。
 ・危ない運転をしているタクシーや施設車両を外部評価できるようにして、危険運転をなくし、運転手の見られている意識を作り出す。

その後、12月13日(土)に弘前市で開催する「地域資源×IT アイデアワークショップin弘前」や1月16日から青森市で開催する「地域資源×IT マッチングワークショップ」の案内を行い、終了となりました。

【デンソーさんの感想】
寺尾氏
サービスでやれることが限定的だったので心配していましたが、柔軟な発想でいろいろ考えてくれてこちらもいろいろアイデアをもらいました。

鵜飼氏
非常に感銘を受けるところもあったので、これからも社会貢献できる物を作っていきたいです。

参加者の皆様、デンソー様、本当にありがとうございました!

今回のセミナーで出されたアイデアは来年1月に開催する試作品開発イベント「地域資源×IT マッチングワークショップ」の題材の参考とさせていただきます。

2014年12月8日月曜日

【開催レポート】地域資源×ITアイデアワークショップ in青森

人・モノ・自然など、地域にある様々な資源を活用している方々の課題解決のため、ITができることは?

2015116日~118日に開催される「地域資源×IT マッチングワークショップ」での試作品開発に向けた、課題解決のためのアイデアワークショップを青森市にて開催いたしました。


▼日時:2014年12月4日(木)13:00~17:00
▼会場:ねぶたの家 ワ・ラッセ 交流学習室2(青森市安方一丁目1-1)
▼参加者:民間企業12名(経営者・広報担当他)、IT関係8名、学生4名 計24名
▼主催:青森県
▼企画運営:株式会社サン・コンピュータ
*本セミナーは、青森県「ITビジネスアイデア開発支援事業」により開催致します。

▼プログラム
13:00 開会・あいさつ
13:05 インプット『ワークショップの進め方について』
13:20 ブレインストーミング『身近な地域資源ってなんだろう?』
13:30 2×2思考分析『地域資源にはどんな効果・成長力があるか』
13:50 休憩
14:00 テーマから生まれる幸福度の対話
<チームA>
『職人の後継者不足を解消すると?』
『スポーツチームとファンの繋がりを深めると?』
<チームB>
『マグロ漁師がアイドルになると?』
『人の歴史を見える化すると?』
<チームC>
『地域の声が見える化すると?』
『南部町のフルーツファンが増えると?』
<チームD>
『地元アイドルが生まれると?』
『お宝の在庫を管理できると?』
14:50 休憩
15:00 強制連想法『幸福感×実現手法』
15:20 アイディア選択
15:30 アイディアシート作成『実現手法のイメージ描写』
15:40 ブラッシュアップワーク『発表と付け足し』(グループワーク)
16:00 アイディアシート清書
16:10 アイディアシート貼り付け
16:20 アイディア発表
16:50 アイディア投票
16:55 ワークショップのまとめ
17:00 終了


【アイデアワーク概要】

13:05 インプット『ワークショップの進め方について』
・システム思考×デザイン思考=イノベーション思考
・共感することが重要
・与えられた大きいテーマを解決するために、なるべく細かく問題を考える(木を見て森を見る)
・勘ではなく論理的視点で考える
・発散したアイデアを収束させる

13:20 ブレインストーミング『身近な地域資源ってなんだろう?』
・各グループにてアイデアを出しあいました。





13:30 2×2思考分析『地域資源にはどんな効果・成長力があるか』
・ブレインストーミングで出た内容を2×2という手法で整理しました。
(縦軸に「大衆的⇔マニアック」、横軸に「儲かる⇔自己満足」という軸を作り、どこに位置するか考えます。)




14:00 テーマから生まれる幸福度の対話
・各チームのテーマに対し、アイデアを出しあいました。





15:00 強制連想法『幸福感×実現手法』
・考える方向性を示してそれに結び付くアイデアを発想する手法です。



15:20 アイディア選択
15:30 アイディアシート作成『実現手法のイメージ描写』
15:40 ブラッシュアップワーク『発表と付け足し』(グループワーク)
・強制連想で出たアイデアの中から一つ選択し、シートを作成し具体化させていきます。さらに、メンバーからアイデアを付け足していきます。




16:00 アイディアシート清書~16:50 アイディア投票
・ブラッシュアップしたアイデアを清書し、グループ内で発表、投票しました。





・最後に各チームで投票が多かったアイデアを発表しました。




このワークショップで出されたアイデアは来年1月に開催する試作品開発イベント「地域資源×ITマッチングワークショップ」の題材となります。
また、今週12/13(土)にも同様のアイデアワークショップを弘前にて開催いたします。

詳細は以下のリンクよりご覧ください。
地域資源×ITアイデアワークショップ in弘前


皆様のご参加お待ちしております。

2014年12月1日月曜日

【開催レポート】「WEB・アプリ用素材のための写真撮影教室」

WEBサイトやSNSなど、自社で運営するメディアへ自分で撮った写真を掲載する機会が増えてきました。とはいえ、撮影技術を学んだことのない人にとっては、何だかイマイチ、マンネリな写真になってしまいがち。
そこで、自分で写真を撮るためのテクニックをご指南いただく写真撮影教室を開催致しました。

講師は、プロカメラマンのフォトウィン福田沙織さんです。

セミナーやハッカソン等のイベント写真を撮ってブログにアップしている我々研修生にとっても、プロのカメラマンに教えて頂けるという、またとないチャンス。とても楽しみです。


▼日時:2014年11月28日(金)
▼場所:八戸市総合福祉会館「はちふくプラザねじょう」第1会議室
  (八戸市根城八丁目8-155)

▼定員:15名(要事前申込)
▼参加費:無料
▼主催:青森県
▼企画運営:株式会社サン・コンピュータ
*本セミナーは、青森県「ITビジネスアイデア開発支援事業」により開催いたします。

【プログラム】
第一部 13:00-16:30 写真撮影教室
写真撮影の実技を学びます。
第二部 16:30-17:00 フリータイム
講師の福田さんへの個別にアドバイスをいただいたり、交流を行う時間です。




いよいよ講座が始まりました。まずは講師と参加者の自己紹介。

女性のプロカメラマンである福田先生は、もともと広告代理店の営業ご出身。ご自身で写真を撮影するようになったのはここ10年ほどなのだそうです。それも、「自分で撮らざるを得ない状況に追い込まれて」撮影するようになったのだとか。
今の仕事をしているのは、実は偶然の出会いや予期せぬ出来事がきっかけだった、というのは著名人の自伝によくある話。福田先生も、まさにそんなきっかけだったわけですね。

次は参加者が、普段自分が撮影しているものと、学びたいことを紹介します。
研修生はイベント写真の他にも、プライベートでペットや子供、旅行先の風景や食べ物を撮影しております。外部の参加者の方は、Web制作を担当されていて、商品や建物を撮影する機会があるのだそうです。
そんな写真を、どのように撮影すればレベルアップすることができるのでしょうか?


<Web素材の写真の撮り方>
まずは、自分が撮影する写真には「どんな役割が求められるのか?」「いい写真とは何か?」をみんなで考えます。
自分が撮影する写真の目的に立ち返って考えてみる。目的を意識して撮影する。これはとても重要なことです。
見た人に「その場の様子を感じて欲しい」のか、「正しい情報を伝えたい」のか、「行動(買う・参加する)してもらいたい」のか。

ただ、人の好みはそれぞれなので、万人に「いいね!」と思われる写真を撮るのは難しい。
「いい写真を撮る」よりは、「ダメダメ写真を撮らない」ことを考える。
福田先生から、ダメダメ写真について具体例を交えて解説して頂きます。

最初は「何がダメダメなの?」と思うのですが、プロと比較すると、一目瞭然。
立ち位置やピント、構図をちょっと工夫するだけで、こんなに印象が変わるんですね!
この「ちょっとした工夫」をするために、福田先生からアドバイス。
それは、「いい写真」をたくさん見ておくこと。そこから自分にとっての「お手本」をイメージすること。
これをしているかしていないかで、撮る写真に大きな差が付くのだそうです。
普段はじっくり見ることのない、雑誌や新聞等に載っている写真。今日からよ~く観察してみましょう!

<写真撮影キホンのキ>
普段はオートモードで撮影ボタンしか触ることのない私たち。改めて、写真撮影の基本となる要素から学びます。
①ピント/②露出(明るさ)/③構図/④ホワイトバランス・色濃度

この中でも、特に露出(明るさ)が重要なのだそうです。難しいのは構図(でも面白い)、意外とやっかいなのがホワイトバランス・色濃度。




次に手持ちのカメラを使って、これらのボタンの設定方法を教えて頂きます。
撮影場所が明るいところか暗いところか、蛍光灯なのか電球なのかに応じて設定を変えることで、写真の印象がグッと変わりますね!

そして露出・シャッタースピード・絞り値(F値)との関係や、写真の土台(キャンバス)の白さであるISO感度についてレクチャーして頂きました。
光を取り込む時間(シャッタースピード)や光の通り道(絞り)を変えることで、写真の明るさ(露出)が変わってくる。だから動くものはブレるのか、ズームで寄ると暗くなるのか!改めてカメラのしくみについてガッテンした私です。

今までオート機能に任せっぱなしでしたが、ワンランク上の写真を撮るために必要な、これら調整テクニックにチャレンジしていきたいと思います。

レクチャーの最後は、基本的な構図について。こちらも具体例を交えて解説して頂きます。平凡な写真がポジション(撮る位置)をちょっと変えるだけでこんなに見え方が変わるのか!と驚嘆。
福田先生が昨年撮影したハッカソンの写真も見せて頂きました。さすが・・・我々が撮るベタな写真とは、一味も二味も違う。被写体と目線を合わせる、その場の雰囲気を観察して先を読む、あえて待ってみたり、色を入れたり・・・プロカメラマンならではのノウハウをご指南頂きました。


<実技練習>



終盤は、参加者が被写体と撮影組に分かれて講座の様子を実際に撮影してみます。
福田先生から個別にアドバイスを受けながら、先ほど習ったことを意識しながら撮影。
お互いが撮った写真を見せ合いながら、時おり失敗写真に笑いも起こります。
ここは練習の場ですから!色んなパターンでたくさん撮ってみる。何がダメダメなのか、どうしたらもっと良くなるのかを意識する。これが重要なんですね。




参加者各自が撮った写真を福田先生に見せ、フィードバックをもらいます。
研修生の川守田氏が撮った作品に、先生からお褒めの言葉を頂きました!
被写体の表情を上手くとらえていますね。


こちらがその写真


4時間の講座が、あっという間に過ぎてしまいました。
明日からプロ並みのテクニック・・・というわけにはいきませんが、今までのやり方から一歩レベルアップした写真を撮るために、本日学んだことを活かして実践!していきたいです。


【参加レポート】あおもりIoT研究会キックオフセミナー

11月27日(木)に、青森市で開催された「あおもりIoT研究会キックオフセミナー」へ参加して参りました。

IoT(Internet of Things)は、モノのインターネットと言われ、センサや家電、自動車、ロボット、産業機器など多種多様なものがインターネットに繋がり、連携して動作することで新たな価値を提供する仕組みと考えられています。モノをインターネットに接続するためには組込み技術が必要となりますが、オープンソースハードウェアという新たな取組も台頭し、モノのインターネット接続が容易になってきています。また、3Dプリンタは高性能化と低価格化で注目を集めていますが、インターネット接続されることで、ものづくりが変革すると言われています。このようにモノがインターネットにつながることで、地域におけるものづくりも大きく変わる可能性があります。
そこで、IoTをとおして新たなものづくりやサービスについて、県内の製造業者やIT事業者の方々と一緒に検討していく会を立ち上げたというのが「あおもりIoT研究会」です。
今回はキックオフセミナーとして、IoT分野に精通している3名の方の講演を聞いてきました。


【開催概要】
▼日時:2014年11月27日(木)13:00~15:30
▼会場:青森国際ホテル3F 萬葉の間(青森市新町1-6-18)
▼主催:地方独立行政青森県産業技術センター工業総合研究所、
    青森県、新時代ITビジネス研究会
▼共催:日本アンドロイドの会
▼後援:一般社団法人青森県情報サービス産業協会、一般社団法人青森県工業会、NPO法人地域情報化モデル研究会
▼参加者:県内企業、関係団体、大学等 100名
     (青森ITビジネスアイデア開発支援事業のスタッフからは8名参加しました)

【プログラム】
1.挨拶(13:00~13:10)
(地独)青森県産業技術センター工業総合研究所 所長 市田 淳治 氏
2.講演1(13:10~14:10)
「Android Project Araとものづくりの未来 --新しい生産のスタイルと地域の可能性を考えるーー」
日本アンドロイドの会 名誉会長 丸山 不二夫 氏
3.講演2(14:10~14:45)
「オープンソースハードウェアのプラットフォームビジネス」
株式会社GClue 代表取締役 佐々木 陽 氏
4.講演3(14:45~15:20)
「3Dプリンタと広がる活用法」
丸紅情報システムズ株式会社製造ソリューション事業本部 課長 吉田 武史 氏
5.ご案内(15:20~15:30)
「あおもりIoT研究会について」
(地独)青森県産業技術センター工業総合研究所 電子情報技術部長 小野 浩之 氏
6.閉会(15:30)
7.その他

【講演1】
「Android Project Araとものづくりの未来 --新しい生産のスタイルと地域の可能性を考えるーー」
日本アンドロイドの会 名誉会長 丸山 不二夫 氏

現在、色々な形で起きようとしているものづくりの世界についてのお話でした。

≪ネットワークなどの歴史≫
クラウドとクラウドデバイス、インターネットの歴史とこれからについて詳しくご講演いただきました。
まず、ITの進化が大きく変わったのはクラウドができたという事が大きいとのお話から始まりました。
2004年にGoogle上場から始まったクラウドとクラウドデバイスの時代は、Google、Amazon、Apple、Facebookの4企業によって大きく変わっていきました。
ネットワークも非常に大きく変わりました。
21世紀に一番伸びたのは携帯電話で、2013年時点で所有率が世界平均で96.2%になりました。スマートフォンは最近になって伸び始め、10年前の携帯電話と同じ水準まで普及しています。
今後の十数年で新たに40数億人がスマートフォンを持つことを「ネクストビリオンズ」というそうです。
また、70億人がインターネットにつながることを「グローバルネットワーク」といいます。
20世紀最末期にはじまり、現代の社会と経済に大きな影響を与えてきたIT化の一つの段階が終わり、次の段階が始まるという歴史的な瞬間を迎えつつあるのです。
20世紀のテレビの時代には誰も携帯電話は持っていませんでしたが、21世紀のモバイルとインターネットの時代になり、情報取得方法も変わりました。

≪IoTの意味するもの≫
モノのインターネットと言っても自然なものではなく、機械のインターネットです。また、今後はヒトのインターネットからモノのインターネットになっていくと考えるのはよくないと丸山さんは話していました。インターネットにおいて最も大事なことは利用する人の数が増えてきているという事です。ヒトのインターネットは今後も変わらないでしょう。
また、インターネットがヒトのインターネット、メディアとしてのインターネット以外に利用できるという期待やコンピュータが人間にとって使いやすくなるという期待もあります。
それぞれのネットワークが生み出すものについてのお話もありました。
SNSの普及を後押ししたのはメディアとしてのネットワーク、自然のエコ・システムなど、人間が作り出す社会的なネットワークが経済のネットワークです。
エンタープライズシステムはまだ経済活動の接点において部分的なものであると丸山さんは指摘しています。生産システムや商品流通、広告、販売システムも狭義のエンタープライズ系のシステムとはかけ離れています。丸山さんは、経済の全過程のネットワークへの包摂という展望がどのような変化をもたらすかというところに関心を持っているそうです。

≪IoTのコンセプト≫
IoTのコンセプトは「全てのものにIDを持たせる」というケビン・アシュトンが発信したアイデアが始まりです。
インターネットのように全てのマシンに名前を付ければ合理的に流通ができるのでは、ということでモノのインターネットと例えたそうです。

≪IoTと企業、世界≫
IoTは社会生活にITを浸透させようというものなので、IT企業にとってはそのリーチを拡大する絶好の機会となります。
活発に取り組んでいる企業について、ご紹介していただきました。
流通にロボットを取り入れたり、車やロボット産業に参入しようとしているなど、かなり活発に動いているようです。
また、人工知能がクイズ大会で優勝したというニュースも取り上げられていました。人間と機械の関係が大きく変わろうとしているのです。
製造業の変革に対する各国の取り組みも紹介していただきました。

♦ドイツ
新たな産業革命を進めようとしています。
国を挙げて製造業に取り組み、考えています。

♦アメリカ
メイドインアメリカへの回帰を掲げています。
ITに力を入れているのは間違いないが、オバマ大統領になってからアメリカ製造業の近代化に向けて頑張っています。
製造業の次の革命がメイドインアメリカになることを望んでいるようです。

♦中国
世界一の製造大国である中国は2008年以降機械大国になっています。
7つの戦略的産業で外国への技術依存からグローバルな技術ができるようになりました。

≪ものづくりにおいて大切な事≫
企業がアウトソーシングの能力を得てから数十年が経ちますが、私たちが今目にしているものは多くの企業がものづくりの強さを再構築している姿です。
労働力のコストが問題になる時代は終わりつつあり、ものづくりの形はすでに変わってきています。
その上で大切なことは、頭の中でデザインができるかどうかという事だと丸山さんは話していました。
なるべくどこでもやることが、今グローバルな世界で必要となっています。
また、望むものを望むときに作ることができるようにもなりました。
オープンソースハードのように、ものづくりはデジタル化され、分散化されています。
要するに、世の中で一番売れているものはそれぞれの年代で変わっていきます。
最後に、私たちにとってよりハッピーなものは何か、今一度考えなくてはならないと丸山さんは話していました。


【講演2】
「オープンソースハードウェアのプラットフォームビジネス」
株式会社GClue 代表取締役 佐々木 陽 氏

オープンソースハードウェアについてのお話でした。

≪オープンソースハードとは≫
オープンソースハードとは、設計図が公開されたハードウェアであり、その設計図やそれに基づくハードウェアを誰もが学び、改変し、頒布し、製造し、そして販売できる物の事です。
紙で頒布するのは昔から行われていましたが、ネットワーク上でやり取りされるようになったのはほんの最近のことだそうです。
誰もが簡単にできるように電子回路を公開したのがイタリアの会社です。同じ回路を別の会社が同じ名前を使わなければ有料で販売してもOKとし、300社くらいが同じ電子回路を作りました。
コミュニティへの貢献という面や自分が作ったものがどう進化していくかを楽しんでいる面もあるそうです。

≪オープンソースハードの普及に関して≫
変更を加えるのに適したファイルを無償で提供しているということもあり、今まででは考えられなかった規模で普及してきています。教育も公開しているので、同じボードを使って色々なことができます。
理想的には、万人が作って利用する可能性を最大限にするため、

・容易に入手できる部品と材料である
・標準的な加工方法
・オープンな基盤
・制約のないコンテンツ
・オープンソースの設計ツール

を使用することが望ましいとのことです。
オンラインストアで汎用部品が購入できるので、どこにいても誰でも作れるようになりました。地域的なアドバンテージがなくなってきているともいえます。
人によっては3Dプリンタもホームセンターで売っている部品で作っているそうです!
汎用的で購入しやすい値段のもので作ることがオープンソース業界で一つの価値になっています。大きな目標は普及させること。
また、加工方法については最先端の加工機械を使えるところが強いそうです。しかし、先ほどのホームセンターの部品で作った3Dプリンタのように、自分で加工機械を作る人もいます。加工機械があるかないかがターニングポイントになりつつあります。

≪オープンソース業界で重要な事≫
オープンソース業界で重要なのはオープン性であると佐々木さんは話していました。
アルドゥーノ、ラズベリーパイなど、みんなでビジネスや技術を作り上げていくことやオープンソースの設計ツールが大事になってきます。
オープンで手に入る無料に近いものを出し、誰もが使える設計ツールを作り出す。今までは色々な部分がクローズなものでしたが、オープンなビジネスがクローズなビジネスに対抗すると佐々木さんは考えているようです。知恵を共有できることがビジネスの大きなポイントになってきます。

オープンソースハードウェアは、設計図のオープンな公開による知識の共有と商品化を奨励すると同時にテクノロジーを統御する自由を人々に与えています。クラウドファンディングのほとんどがオープンソースハードであるとお話していました。
テクノロジーを統御する自由があるので、皆で考えて作っていくという世界になっています。

≪オープンソースハード業界の事例≫
では、実際どれくらいビジネスで大きくなってきているでしょうか。
例に挙がったのはアメリカ・デンバーにあるスパークファンという会社です。
オリジナルの基盤を作って出荷している会社ですが、オープンソースハード業界には同じような会社がたくさんあるそうです。
プログラムを書く人は世界で2000万人になっています。小学生でも趣味でプログラムを書いている人もいます。それからハードウェアの世界にプログラムを趣味で書く人が増えていくだろうと佐々木さんは予想しています。
また、自分達で作ったものは公開して12週程度でコピーされるのが目に見えているので、時間のかかる特許を取るよりも新しいものをどんどん作った方がいいとして、新開発を常に進めているとのことでした。
最後に、佐々木さんが福島でやっているFab蔵の紹介がありました。
発明、共有、作ることをしている場所で、新しいものを作って公開していっているそうです。
レーザーカッターと3Dプリンタ、リフロー機などがあり、色々なものが作れる施設になっています。
自分で色々なものを作ると経験値にもなり、ノウハウもたまります。


【講演3】
「3Dプリンタと広がる活用法」
丸紅情報システムズ株式会社製造ソリューション事業本部 課長 吉田 武史 氏

3Dプリンタの歴史やどのように使われているかのご紹介でした。

≪3Dプリンタとは≫
そもそも3Dプリンタとは、三次元CADデータのデータを読み込み、立体モデルを造形する機器のことです。
STLデータを3Dプリンタに流し込むと自動的に立体モデルができます。
以前は三次元造型機と呼ばれていて、3Dプリンタという名前は最近になって浸透し始めたそうです。
小型化、100Vの電源で動作可能、簡単な操作、オフィス環境で使用できるようになった等の要因で私たちの生活に身近な存在になりました。
そもそも3Dプリンタはいつから登場したのでしょうか。
3Dプリンタは1980年代に日本人のアイデアをアメリカの会社が製造を進めたのが始まりだそうです。
当初は製品の試作段階で使われることが多かったとの事。

≪3Dプリンタブームの3つの要因≫
昨今の3Dプリンタブームの要因を3つ紹介していました。

①クリス・アンダーソン著「MAKERS」
 「資本が必要だったものづくりが、ITの進歩で個人でも可能となる」という事が書かれています。個人でもデスクトップなどで作れるようになりました。

②オバマ大統領 一般教書演説
 「3Dプリンタはあらゆるものづくりに革命をもたらす」といった演説です。

③低価格3Dプリンタの普及
最近3Dプリンタは家電量販店でも手軽に変えるようになりました。
都内の家電量販店では3Dプリンタコーナーが設置されるようになったそうです!

ただ、3Dプリンタを実際どのように使うのか分からない人も中にはおり、製造に3次元のデータが必要だと知らない人もいるそうです。

≪3Dプリンタの特徴≫
次に3Dプリンタの特徴をメリット、デメリット別に紹介していました。

3Dプリンタのメリットは…
○データから直接造形をするので短時間でモデル入手可能
○小ロット物のコストが低い(少量作る時は圧倒的に安い)
○デザインの制限がない
 複雑な造形のものでも組み立てることなく作れる
○簡単操作、人がついていなくても造詣ができる

逆にデメリットは…
×大量生産のものには不向き(時間、コストがかかる)
×積層方式なので、積層段差ができる
×素材を自由に選べない

結論から言えば、量産品を製造する時は金型で製造した方が効率的だがオーダーメイドのものは3Dプリンタが適しているとの事でした。
方式も熱溶解積層方式、インクジェット方式、粉末積層方式などがあります。粉末方式はフルカラーモデルを造形可能です。
3Dプリンタのモデルは試作(ラピッドプロトタイピング)やDDM(ダイレクトデジタルマニュファクチャリング)があります。
DDMとは、データから直接使えるようなものを作ることです。従来の製造工程よりも迅速な対応ができ、欲しいときに欲しいものを手に入れられます。カスタムオーダー、小ロットへの対応、作成コストの削減などがメリットです。小ロットパーツの製造、治具・工具の製造に利用されています。

≪3Dプリンタの活用事例≫
最後に3Dプリンタを活用している事例を紹介していただきました。
①レスキューロボットのセンサや計測器パーツの作成
 トライ&エラー回数を増やすことでより良いパーツ制作をしています。以前は手作業でやっていたが、時間短縮とクオリティ向上で3Dプリンタでしか作れない設計が可能になりました。

②モータースポーツの部品
 サージタンク、インジェクターパイプなどを製造しているそうです。従来複数だったパーツも一体化できました。

③治具
 ホース製造業や自動車関連業者で作られています。以前は一か月かかっていたそうですが、3Dプリンタを導入して行程が4分の1に削減できました。自動車はエンブレム貼り付け治具に使われています。また、簡易型を作ることにも使われているそうです。

④医療装具
 アメリカで2歳の女の子が3Dプリンタで作った装具を使ってリハビリに取り組んでいるそうです。以前は金属で固定されていましたが、プラスチックで作られるようになり軽量で動きやすくなりました。成長過程に合わせたパーツの変更も簡単に可能になり、3Dプリンタのいい使い方だと紹介されていました。

3Dプリンタを効果的に使うためには、
・目的に応じて機種を選ぶこと
・用途を考えて使用する事
・3Dプリンタを前提とする設計をすること
が重要となってきます。


最後にあおもりIoT研究会の案内があり、全日程が終了しました。
地方だから最先端のものが使えないと思われていた時代から、自分でも色々なものが作れる時代になったのだと改めて思わされました。
特に丸山さんのお話にあった「私たちにとってよりハッピーなものは何か」という言葉は、考えさせられるものでした。
私たちが今後するイベントでも、よりハッピーなものは何かを考えられるようにしていきたいです。