昨年度発売され何かと話題のiBeaconですが、聞いたことがあるけどよく知らない、クライアントからニーズがあったけど、よく分からない。取り組みたいが、開発フローが分からないなどの課題が上がります。
そこで有限会社トリガーデバイスの佐藤氏を講師にお招きしiBeaconの基本的な仕組を実例を交えご紹介頂き、開発フロー及びやらなくてはいけない事のおおよそなどを学ぶ機会とさせて頂きました。
<開催概要>
▼日時 : 2014年12月3日(水) 13:00~17:45
▼場所 : リンクステーション青森 小会議室(3)
▼参加費:無料
▼主催 : 青森県
▼企画運営 : 株式会社サン・コンピュータ
※本セミナーは、青森県「ITビジネスアイデア開発支援事業」により開催致しました。
▼プログラム
①「iBeacon開発セミナー」iBeaconについての解説を行います。
②「開発ハンズオン」iBeaconを使ったコンテンツ開発を習得します。
③「アイデアワーク」iBeaconの活用方法を考えるワークです。
④「プロトタイプ開発」アイデアの試作品を作成しました。
▼講師: 佐藤 忠彦氏 (有限会社トリガーデバイス 代表)
村瀬 真博氏 (有限会社トリガーデバイス ソフトウェアエンジニア)
iBeacon はApple 社の商標ですが、Bluetooth Low Energy(BLE)を使ってAndroid端末にも同様の施策が可能、スマートフォン全体で使えることでさらに大きな効果が見込まれます。
2013年9-11月の日本のスマートフォンにおけるiPhoneシェアは約7割近くまでになっています。
技術的な面でもiBeacon が注目されている理由。それは、iBeaconがiOS に組み込まれていることです。
<ビーコンが届く距離のレンジ>
ビーコンと端末(iPhone)との距離
①
2㎝、1m、10m と設定が出来る。
②
距離は環境にも左右される。
(人体や障害物に影響を受ける。地上に設置すると人体の水分を通過できない為に認知しない場合がある。)
課題 : 天井に設置する時、専門的な技術がないと大変な作業となる。
<iBeaconが動作するための、3つの必須ポイント>
①
アプリがないと利用できない (アプリを立ち上げていなくても通知が来る)
②
BluetoothをONにしていないとダメ。
③
Ios7以降じゃないと使えない。
発売されて間もないビーコンの案件はまだまだ少ないので佐藤氏はワフーと連携してデザインをパターン化し、営業用ツール用のカードを作成されました。
例 モチベーション ユーザーがお得感・データー・パーソナライズ
表の目的・お客様のロギング ユーザー分析
裏の目的・クーポンの利用利益
検索のタイミングやモチベーション等、数枚を組み合わせて使用する事で解りやすい営業ができます。
<実例>
⒈ 岐阜の観光地アプリ~自転車に乗りながら観光ポイントをナビゲーション
◎開発フロー ディレクター:ビーコン設置個所の検討とデザインパターンの決定
・反応エリアの決定(スポット、ゲート、エリア)
・検出タイミング(フォアグランド、バックグランド、ロック画面)
・検出距離(どれぐらい近づいたら?)
上記を決めたら現場で実験
・反応エリアを満たすためのビーコンの設置
・検出タイミングを満たすためのビーコンの設定
・検出距離を満たすためのビーコンの設定
◎問題!開発フロー:現場で実験→ビーコン設置
今回の案件はフェーズが重要だった。許可が取りやすい場所を基本に設計していく。
観光地特有の問題かもしれないが、商業施設でも店舗経営者とビルの所有者が違ったり、パブリックなスペースを含んだりしていることは多いので、設置問題は十分に検討する必要がある。
⒉ 東京の店舗アプリ~イベント会場と店舗を繋ぐ
「IMA CONCEPT STORE」
六本木にあるコンセプトストアのアプリ。
イベント時にイベント会場と店舗に訪れた方に特典を発行。簡易スタンプラリー形式。
3. 美濃ビーコン
地元商店街のIT化のきっかけに開発に取り組む。
プロジェクトメンバーが体験会を美濃市で継続的に行っている。(9回開催)リリース後の反応とその後の展開として、 90%以上の人が「あるといい」との声が上がる。
気になった点
・音声がいきなり流れてびっくりする人がいる。
・ビーコンの設置位置は見えるところにあったほうがいい。
細かな注意点
・危惧していた問題 電池切れ
美濃市の3か所は 3か月で切れた(単三2本で2年のはず)
・バックグランドで場所を検知するだけでいいのであれば、あまりバッテリーは消費
しないが、フォアグランドで常にビーコンとの距離を測っていたいのであれば、
バッテリーを消費する。
ビーコンの注意点
・システム側に嬉しい機能
・GPSのシステムとは違う
・リアルな実験設置が必要 細かなtips
・見守り系は安定的な商品である
▪AppStore申請のリジェクト
動作の肝心な部分は再現不可能、簡単なビデオを作っておくとよい。
<iBeaconの事例>
◇AYATORI MACH
AYATORI MACHアプリに自分の趣味を登録し、同じ趣味の人とすれ違うと光るアクセサリー「AYATORI」が光りだす。
◇京都市営バス
バスが近づいてきたことをバス停のディスプレイに反映させ、バスを待っている利用者にバスの接近を知らせる。
今人気なのはスマホでオーダー出来るアプリ
◇中国火鍋専門店小肥羊
アプリでのオーダー受付、注文するユーザーの位置を特定するのに利用。
・相手を思いやった注文ができる(ビールがなくなりそうな時…アプリで頼めると嬉しい)
<開発ハンズオン>
▽自分で作ったコンテンツで試すには
① コンテンツを作る
② コンテンツを圧縮する
③ 圧縮したファイルをドロップボックスにアップロードする
④ ビーコンワークショップアプリからドロップボックス経由でコンテンツを取り込む
▽コンテンツ作成の手順
① コンテンツデータの設定
② ビーコン領域の登録
③ ビーコン領域と表示コンテンツの紐づけ
④ 表示コンテンツ作成
配布するサンプルテンプレートは今回使うビーコン情報が設定済み
(1~3の手順が不要)
※今回は一から作るのは大変なので、サンプルを変えるというやり方。
▪BM1書き込み 距離の調整が可能
▪コンテンツ圧縮時の数点の注意が必要です。
いよいよ参加者の方もハンズオン。
講師の方も楽しそうなご様子です。
左は笑顔の講師、村瀬氏。右、お立ちになっているのは佐藤氏です。
まずは触ってみて、次にiBeaconで何か面白い事は出来ないかアイディアワークで検討します。
【アイデアワーク】
Step1
<マンダラートの真ん中にトリガーとなりそうなキーワードを下記から選び置く>
(場面・場所)
百貨店、飲食店、イベント会場、スーパー、コンビニ、山、地下街、駅
Step2
<周りを連想できる人で埋めていく>
・利用する人(ユーザー)
出来るだけ具体的に 例・百貨店→お金持ちの奥様
・スーパー → チラシを持っている奥さん
Step3
<アイディアシートの作成>
①
左隣の人に記入したシートを渡し、面白いと思ったアイデアをシートに記入。
②
アイデアの概要を作成。
皆さんそれぞれアイデアを発表します。スーパーマーケットでのサービスを提案されていた方が2名ほどいらっしゃいます。
そして、時間が許す限りアイデアを試作品としてプロトタイプの作成へと取り組まれていました。
<ご紹介として>
Beacon Broadcastar
というアプリが現状では一番お勧めです。
使いにくいアプリが沢山あるので注意が必要です。
▪アクセスはトータルフレームワークでビーコンを販売しているので設置が楽。
▪株式会社アプリックスもパッケージ商品を始めたそうです。
こちらの会社はチップ300円で発売、株価は5倍に伸びたそうです。
<感想>
飲食店・アパレルショップ等色々なテナントに設置、街づくりのためのイベント活用等可能性は無限大のiBeaconです。
テナント等に関しては、お客様の店内の動きがデータ蓄積される為、ユーザー分析に活用できます。お店側はクーポーンを配布することで購入動機に繋がる利点があります。
イベント等での活用は、データの集積と伴にスタンプラリー要素を組み込み楽しんでもらう事で、利用する両側にメリットがあります。
近い将来、様々なところで知らないうちにBeaconに触れている。そんな気がします。
この度、講師でいらして下さったお二方、楽しく実用的な講義をして頂きありがとうございました。
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