2015年3月13日金曜日

【開催レポート】あじがさわの未来を語ろう

10年後の理想的な鰺ヶ沢へ向けた一歩を踏み出すべく、鰺ヶ沢地域の豊かな食材の生み出す食×ビジネスの可能性について話し合いました。
本ワークショップでは、株式会社シェフズバンク代表取締役の桑原大輔氏をお招きし、『地方食材×プロモーション 食ビジネスのススメ』というテーマで話題提供のお話をしていただきました。

<開催概要>
▼日時:2015年3月9日(月) 13:00~18:00
▼会場:鰺ヶ沢町中央公民館

▼主催:青森県
▼共催:鰺ヶ沢町
▼後援:一般社団法人 鰺ヶ沢町観光協会
▼企画運営:株式会社サン・コンピュータ
*本イベントは、青森県「ITビジネスアイデア開発支援事業」により開催致しました。

▼プログラム
12:30 開場
13:00 開会のご案内(プログラム説明)
14:00 話題提供『地方食材×プロモーション 食ビジネスのススメ』
      株式会社シェフズバンク 代表取締役 桑原大輔氏
14:30 ビジョン形成ワークショップ『10年後の理想的な鰺ヶ沢の姿を語ろう』
      ※ビジネス・暮らしの2軸から未来を展望する
15:30 休憩
15:40 食材発掘ワークショップ『収穫カレンダーをつくろう!』
16:40 休憩
16:50 食材活用ワークショップ『食材の活用事例を共有しよう』
      ※家庭料理や伝統料理の活用事例、レストランでの調理例等を共有する
17:20 プロジェクト形成の対話『10年後の理想的な鰺ヶ沢を実現するためにやってみたいこと』
17:50 対話のまとめ
18:00 終了

<話題提供>
桑原大輔氏(株式会社シェフズバンク 代表取締役)
◆事業内容
(1)直営店運営
(2)地域活性事業
  ・「食」をテーマにした地域活性コンサルティング
  ・地域食材のプロモーション
(3)プロデュース事業
  ・コンサルティング
  ・レストラントータルプロデュース
  ・商品企画/開発
(4)イベント企画

◆事例
(1)福島県会津美里町 『野菜ビュッフェレストラン IWATATE』
  ・依頼内容/会津美里町らしさを取り入れた観光レストランの新規業態のプロデュース
   既存売上1500万円/年⇒目標売上2500万円/年
  ・コンセプトアプローチ
  ◎モノを作るときはコンセプトが大事(人間の背骨のようなもの)
  ①町の特徴
   豊富な農産物⇒野菜料理
  ②野菜の可能性
   和食中心⇒経験値の少ない調理法+新発見・自信
  ③既存店舗労働力
   働くお母さん
  ④震災の影響
   沈む心⇒活気・賑やかさ・明るさ+明日への活力
  ⑤ターゲット
   観光客+地域住民⇒地域住民・女性  観光客
   ◎地域住民に愛され、地域住民が自慢し観光客へ伝達する仕掛けづくりが必要
  ・コンセプト
   …経験値の少ない調理法×新発見・自信×野菜料理
     ⇒比較的馴染みのある洋食業態、周辺店舗との差別化
   …活気・賑やかさ・明るさ×明日への活力×地域住民・女性
     ⇒非日常感の演出、元気な接客、集まる場所
   …働くお母さん
     ⇒ショップコンセプト『会津美里町の野菜食堂 MANMAの家』
     ⇒会津美里町の豊富な野菜をふんだんに使用したこころ温まる食堂
     ⇒ここでのつながりから全てが始まる
  ・売上
   (変更前)
   業態:釜めし業態
   客単価:約1000円
   平均客数:約30人/日
   平均売上:30,000円/日
   
   (変更後)
   業態:野菜ビュッフェレストラン(イタリアン)
   客単価:約1,350円
   平均客数:90人/日
   平均売上:135,000円/日
   ※リニューアルから半年で既に2,000万円を超えている。

(2)その他の事例
  ・地域着地型
   観光者集約型レストランメニュー開発 鳥取県鳥取市『賀露幸』
  ・六次産業化を見据えた事業
   マルシェ事業 福島県会津美里町 アンテナショップ『会津問屋』

(3)イベント
  ・値決めレストラン
   …独立したいシェフがフルコースをお客さんに提供、お客さんが評価した金額を支払う。
   …一人のシェフが5~6回やる(そうすることで前回できなかった説明等ができる)
   ◎見せ方次第で値段が高くなるということを学んでほしい

(3)食ビジネス
  ・味覚に絶対はない。美味い、まずいで判断するのは危険。
  ・サイクルは3年で変化する。
  ・サイクル
  ①情熱をもつ
  ②強み、弱みを理解する
  ③買ってくれる人をイメージする
  ④日々変化させる、変化する
  ⑤情熱を汲み取る
  ⑥お客様になる

桑原氏(中央)

<アイデアワーク>
ビジョン形成対話
まず各チームごとに、鰺ヶ沢に起きてほしい
①仕事の変化(ピンクの付箋)
②生活の変化(緑の付箋)
③施設の変化(オレンジの付箋)
加えて、④鰺ヶ沢に起きてほしくない変化(黄色の付箋)
というテーマでブレインストーミングを行いました。

ブレインストーミングでは、時間を決めて思いついた言葉を付箋に書いてホワイトボードシートにどんどん貼り出していきます。

次に横軸(2015年⇒2025年)を作り、ピンクの付箋(仕事の変化)、緑の付箋(生活の変化)、オレンジの付箋(施設の変化)を貼り替え、起きてほしい変化の優先順位を話し合いました。


各チームの成果物はこのようになりました。




食材発掘ワークショップ
鰺ヶ沢ではどんな野菜・果物がとれるか、春夏秋冬で分けて話し合いました。
(4~6月にとれるもの…緑の付箋、7月~9月にとれるもの…オレンジの付箋、10月~3月にとれるもの…黄色の付箋)

次に、その食材がどのように調理、消費されているか話し合いました。(ピンクの付箋)



アイデア形成の対話
最後に参加者全員で、前の作業の成果をもとに『関東圏の消費者が注目する野菜はあるか』というテーマで話し合いました。



話し合いでは次のような意見が出されました。

・弘前等への流通ルートの歴史が、保存食流通のきっかけになるかも
・海のあるなしに関する価値観のギャップをつく
・弘前→鰺ヶ沢への人の流れは間違いなくある
・保存食で商売するなら西でやってみたらどうか?
               ⇒雪が降らないところ
消えていくものはいらないもの
・保存食は作ろうと思って生まれたものは少ない。
 でもこれからは狙って作っていくことで品質を高める
・海の駅わんどの実演スペースを活用した取り組み
保存食をとがらせきっていくという作戦
 ⇒自衛隊、防災食
 ⇒言葉を変えていきたい
・話題作りのための商品づくり
 ⇒飯寿司は関東圏の人は食べたがらない
・『熟成』というテーマと保存食
 ⇒ストーリー化する可能性
・タダ同然で手に入る食材を加工できないか
・ふくろぎ…安い魚
 ⇒刺身はうまい
・①地域販売
 ②直販(通販)
 ③惣菜販売(保存食)

<感想>
皆さん積極的に発言されていて、とても和やかな雰囲気のワークショップでした。
このワークショップをきっかけに、将来鰺ヶ沢の食材や調理法が多くの方に知っていただけるようになればと思います。
参加者の皆様、講師の桑原様、ありがとうございました。


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