2015年3月2日月曜日

【開催レポート】サッカー×IT アイデアワークショップ

2週間にわたって、地域のサッカーが抱えている現状や課題・展望についてアイデアを出し合うワークショップを開催いたしました。
第2週目は「サッカー×IT アイデアワークショップ」。2月22日に開催した「サッカー×IT インプットワークショップ」で出た、地域サッカーの課題や展望を解決するアイデアを出し合うワークショップでした。

【開催概要】
▼日時:2015年2月28日(土)13:00~17:00
▼会場:八戸プラザホテル 別館アーバンホール(八戸市柏崎1-6-6)
▼講師:松坂匡克(まつさか まさかつ)氏(青森ゴール 代表)
     柴田侑幸(しばた ゆうこう)氏(NPO法人スタリオンスポーツエンターテインメント理事長/ノーザンライツ株式会社・ヴァンラーレTV制作チーム)
     砂金よしひろ(いさご よしひろ)氏(株式会社プレイズファースト 代表取締役)

まずは前回(2/22「サッカー×IT インプットワークショップ」)の振り返りと、今回のワークショップの説明からスタートしました。
今回のワークショップでは「IT活用で青森のサッカーを盛り上げる」をテーマに、前回のワークの成果を引き継いで課題選び・課題の深堀・手段の検討等をします。

次に、インプットとして「スポーツ×ITの活用事例」を砂金よしひろ氏から紹介していただきました。

≪サッカー以外のスポーツ×IT≫

●データバレー
 2010年頃にバレーボール日本女子代表が活用したことで話題になったデータバレー。
 アタックの決定率やスパイク位置・角度等を視覚化して分析しています。

●iPhoneのアメフト普及活用
 Eラーニング(指導者育成)や観戦に来た観客の興奮を冷まさせないような工夫がなされています。

●NBA 選手のトラッキング
 NBAではカメラ6台を使ってほぼリアルタイムで選手の動きをトラッキングできるシステムを導入しているそうです。
 選手がどれくらいシュートを決めたか、どんなスピードで移動していたかをインターネットで公開しているので、監督やコーチだけでなくファンも情報を見られます。
 新しい楽しみ方として、ファンを楽しませているとの事でした。

砂金氏は、スポーツのIT活用について「海外の方が進んでいる印象がある。データバレーをサッカーでも導入できれば面白いのでは、と考えている。」と話していました。

≪サッカー選手×IT≫

●アディダス マイコーチスピードセル
 靴の中に小型デバイスを入れ、練習や試合が終わった後にデータを収集。
 収集したデータを分析します。選手は靴底にデバイスを入れて終わった後にデバイスを取り出せばいいだけなので負担が少なくデータが収集できます。

「データだけだとわかりにくいかもしれないが、映像と一緒に活用すればわかりやすいのでは、と思った」と砂金氏はコメントしていました。

●アディダス マイコーチスマートボール
 ボールに内蔵されたセンサーによって、ボールの軌道やキック力の強さなどが測定できる。
 アディダスの商品が最近面白いという事で事例を紹介してくださいました。

また、先週の「サッカー×IT インプットワークショップ」でご紹介いただいたRaspberry Pi(ラズベリーパイ)とLeap Motionを再度持ってきていただきました。

●Leap Motion
 https://www.leapmotion.com/?lang=jp
 センサーの上に手をかざすと画面を操作できるデバイス。
 サッカーへの活用方法はこれから考えられたらいいと思っているとの事でした。

●ラズベリーパイ
 手のひらに載るほどのサイズの超小型ボード型コンピューター。
 ロッカールームやベンチにデータ収集用の機械として活用する事が出来るのではないか、と考えていると話していました。

砂金氏は「事例としてはいくつか紹介したが、サッカーではこれからアイテムやソフトウェアが出てくるだろう、開発途中の分野なのだと思う。監督側の視点でいろいろ調べていたが観客側の視点でアイテムやハードを考えられたら、と思っている。」と話していました。

また、柴田氏より補足として「他の種目と違った特徴や難しいところを今回考えられればより充実したワークになるのではと思う」とのお話もいただきました。

「スポーツ×ITの活用事例」について聞き、いよいよグループワークに入ります。

(1)2つのチームに分かれて深堀したいテーマを選択(20分)
 最初に前回のワークの中から「必要だと感じていることが実現したらどうなるか」で挙げられたアイデアを今回のお題として選びました。

各グループが選んだテーマは以下の通りです。

グループA「選手とサポーターの距離を近づける」
  グループB「地元愛が高まる」

(2)バリューグラフ(30分)
 バリューグラフとは、よりよい解決法に到達するために当初のコンセプトの狙いに対してさらに上位の目的と、目的を果たすための別なアイデアを考えるワークです。
 より上位の目的を考えることで、問題が解決できれば詳細にこだわらなくなり、「なぜ」と聞くことでより上位の目的が明確になります。
 また、段階的に目的を識別する事でその後でそれを満たすクリエイティブな代替案を考える事が出来ます。
雑談も交えながら、テーマへの有効的なアプローチ方法を考えていきました。


 残り10分というところで各チームに進捗状況を聞くと、

Aチーム:問題は見えてきたがまだハッキリとはできていない。
Bチーム:いい感じに煮詰まってきた

 とそれぞれ話していました。
 その後、ITを使って実現できそうなアイデアをグループで話し合います。

(3)アイデアシート作成
 バリューグラフの中で出た中から選んだアイデアをより具体的なものに落とし込みます。
 多い人だと4枚ものアイデアシートを書き込んでいました!


(4)ブラッシュアップワーク(1人7分)
 各グループで最初に発表する人を決め、発表した後に左隣の人が付け足しのアイデアをしていきます。付け加えの前に「そのアイデアいいね!」と声をかけます。この流れを2周します。
 コメントを2周したら次の人が発表し、どんどん回していきます。
 最初はぎこちなかった様子でしたが、進んでいくうちに自然と笑顔がこぼれ和気藹々と進んでいきました。


(5)アイデアスケッチ清書
 ブラッシュアップワークで付け足してもらった意見を反映して、アイデアスケッチをさらに魅力のあるものにしていきます。



(6)手法分析ワーク「アイデアを実現するために必要なもの(主に人・情報)」の付け加え(3分)
 実現させるために必要な要素(どんな情報があればいいのか、どんな人物がいればいいのか)を、付箋を使ってアイデアスケッチに付け加えます。

(7)発表
 グループの中で一人発表者を選び、各グループから一人ずつ発表しました。

●心を一つに 日めくりアプリ365
 ・選手・ファンが一体感を生み出し、同じ目標に向かって意思統一を図るアプリ。
 ・タッチすると選手の動画と共に今日の格言が流れる。
 ・アクセスした数がHP上で分かり、J昇格への盛り上がりが可視化でき、さらにファンを広げる。
≪実現するために必要なもの≫
 ・アプリ制作者(エンジニア)
 ・資金(スポンサー)
 ・ヴァンラーレ八戸の許可、温かい協力


●チケット、グッズ、食べ物etcが買えるアプリ
 ・アプリでチケットを買うとポイントが付く
 ・ポイントと商品が交換できる
 ・ハーフタイムでヘビーユーザーが分かる
 ・アプリがチケットの代わりになる
 ・いいネ!の数が選手別で分かる
 ・全試合をアプリで買うとグッズがもらえる
 ・会場の屋台や市内の飲食店でもポイントがもらえる
≪実現するために必要なもの≫
 ・資金
 ・アプリ開発者
 ・グッズ開発


二人の発表を聞き、全プログラムが終了いたしました。

サッカーのみならず、地元のスポーツがITで更に盛り上がっていくことが期待できるような素敵なアイデアがたくさん出ました。
今回のイベントだけで終わらせるのではなく、是非今後のスポーツ×ITや地元のスポーツ振興にアイデアを活用していきたいですね。

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