2015年2月17日火曜日

【開催レポート】地域課題やビジネスに活かす!「事例に学ぶオープンデータ実践活用術」

オープンデータを活用した地域の課題解決への取り組みについてご紹介いただくとともに、オープンデータ・アプリアイデア・市町村をつなぐプラットフォームサイトである「LinkData.org」の使い方について学ぶセミナーを開催致しました。

<開催概要>
▼日時:2015年2月12日(木)13:30-17:30
▼会場:青森県庁 東棟 B会議室(青森市長島一丁目1番1号)

▼主催:青森県
▼企画運営:株式会社サン・コンピュータ
※本セミナーは、青森県「ITビジネスアイデア開発支援事業」により開催致します。

▼講師・プログラム
-----第1部-----
13:30-14:10
横浜市における地域課題解決への取り組み事例

講師:長谷川孝 氏
(横浜市制作局 担当理事)

-----第2部-----
14:20-17:30
オープンデータを加工して共有しよう!
オープンデータ共有&ダウンロードサイト「LinkData.org」活用セミナー

講師:下山紗代子 氏
(一般社団法人リンクデータ理事/独立行政法人理化学研究所情報基盤センター 客員研究員)


<第1部>
【横浜市における地域課題解決への取り組み事例】

講師の長谷川氏

1.「オープンデータ」?
▽オープンデータの意義
・透明性・信頼性向上
・国民参加・官民協働推進
・経済活性化・行政効率化
⇒「まち・ひと・しごと創生」にも大いにかかわる

▽オープンデータの形式




▽DATA.GO.JP
http://www.data.go.jp/

約1.3万件のデータセットを公開(2015年1月現在)

▽Knowledge Connector(β版)
http://idea.linkdata.org/

オープンデータを活用したビジネス創出マッチング支援サイト


▽海外のサービス事例
【The Climate Corporation(米国)】
概要:地域や作物ごとの収穫被害発生確率に基づいた農業保険
効果:経済活性化(取扱高3兆円)
主な公共データ:気象、収穫量、土壌情報

【MRIS(米国)】
不動産に関する様々な情報をわかりやすく提供するサービス
効果:経済活性化(推定年間売上高約5,000万ドル)
主な公共データ:人口統計、公共交通機関、教育、ヘルスケア

【Fix My Street(英国)】
地図データ上に住民が問題の発生を入力
効果:公共サービス向上
主な公共データ:地図、公共施設

【Adopt-A-Hydrant Program Boston(米国)】
消火栓の場所を地図上に表示するアプリ
効果:公共サービス向上
主な公共サービス:地図、消火栓設置場所

【YOU CHOOSE(英国)】
市民が予算データを活用し予算削減を提案
効果:透明性向上
主な公共サービス:予算

※参考事例
米国ニューヨーク大学GovLabの研究サイト“OpenData 500”
http://www.opendata500.com/

2.横浜市の挑戦
▽横浜市の取り組みの特徴
「市民主導」
「協働・共創」

・始まりは市民主導
「横浜オープンデータソリューション発展委員会」(2012.12設立)
オープンデータの取組みを民間側から推進

▽Yokohama Art Spot
http://lod.ac/apps/yas/

▽WHWRE DOSE MY MONEY GO?
・イギリスのOpen Knowledge Foundationが開発したオープンソースのプログラムをもとに開発
・Open Knowledge Foundation Japanのサポートのもと、有志の方々で立ち上げ→約160都市に拡大

http://yokohama.spending.jp

▽横浜市オープンデータの推進に関する指針(2014.3策定)
・基本的な考え方
 意義、基本原則、推進体制等

・具体的な取組の方向性
・WebサイトをOD化の基盤として再整備
・Webサイト上の公開情報は原則OD化
・既存データはニーズの高いものを可能なものから順次対応
・二次利用の条件は原則CC BY

http://www.city.yokohama.lg.jp/seisaku/seisaku/opendata/

▽企業との「共創」
日本マイクロソフト様との連携協定(2013.7)

●横浜ウーマンビジネスフェスタ2013
「女性の視点×オープンデータでアイデアの種を育てよう!」

●横浜サイエンスフロンティア高校でのアプリ作成講座

▽区の先行的な取組
「かなざわ育なび.net」
http://kirakana.city.yokohama.lg.jp/



<現在の展開>
▽今年度の取組方針
・オープンデータを進める基盤づくり
・オープンデータを活用した地域課題解決の仕組みづくり
・オープンデータによる地域経済の活性化

▽その1基盤づくり
・統計データ、GISデータ等のオープンデータ化
・市Webサイトの再構築、オープンデータ対応
・データカタログサイトの整備
・県内自治体の連携の仕組みづくり

●横浜・神奈川オープンデータフォーラム(2014.6)
・オープンデータwp推進する神奈川県内自治体のネットワーク形成第一歩
・約240人が参加

●旧東海道再発見!by Code for Kanagawa
・神奈川県共催、県内市町村が後援
・県内9つの宿場町をCvic Techで結ぶ

▽その2:地域課題解決の仕組みづくり
・「LOCALGOOD YOKOHAMA」への協力
・政策の創造と協働のための「横浜会議」を活用したフューチャーセッション等の開催
・「かなざわ育なび.net」の機能拡充

▽LOCALGOOD YOKOHAMA
・地域の社会的課題や支援団体の取組を可視化し、市民参加を促すことで新しい公共の仕組みを作るウェブプラットフォーム
・NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボがアクセンチュア(株)様の協力を得て構築
・横浜市のオープンデータを活用

http://yokohama.localgood.jp/

●新機能追加
スペイン発のOSS「DOTEO」を利用したクラウドファンディング、スキルマッチング、スマホ等による投稿機能などを追加



▽OD×フューチャーセッション
様々な主体が立場の違いを超えて、未来の横浜を見据えたオープンかつ創造的な対話を積極的に展開中

▽ユースアクション
横浜市の中期計画(素案・原案)を素材として、若者(15~25歳)を対象としたアイデアソン・ハッカソン(アプリ&データビジュアライズ)を開催


●受賞作品
【A-Senkyo】
http://idea.linkdata.org/idea/idea1s832i



【災害への意識向上を目指して】
http://idea.linkdata.org/idea/idea1s836i



▽アプリコンテスト@Kanazawa
・金沢区主催、経済産業省・IPA等共催
http://www.city.yokohama.lg.jp/kanazawa/kz-opendata/award.html


▽その3:地域経済の活性化
・企業ニーズの把握
・横浜信用金庫様とのオープンデータ活用のための研究プロジェクト
・不動産情報ストックシステムの施行(国土交通省事業に協力)

・2020年をターゲットに「海外からのお客様へのおもてなし」のためのアプリ、サービスの開発

▽横浜信用金庫様との研究プロジェクト
横浜信用金庫・大前茂理事長
-地域との連携は。
「行政の情報を民間に開放するオープンデータで横浜市と連携してプロジェクトを始めた。市が持っている細分化された事業所のデータなどを、例えば中小企業のマーケティングなどで活用する橋渡しをしたい。行政データで行政と金融機関が連携するのは全国初なので、知恵を出し合い、良い方法に広げたい」

<これからの課題>
・そろそろ(オープン)データ活用の「わかりやすい成果」が求められるのでは?
・そのために必要なプラットフォームは?
→データのプラットフォーム(データカタログ)
→対話のプラットフォーム
→オープンイノベーションのためのプラットフォーム

・どのように実現するか?



<第2部>
オープンデータを加工して共有しよう!
オープンデータ共有&ダウンロードサイトLinkData.org活用セミナー

講師の下山氏


▽データ・アプリ・アイデア・市町村をつなぐLinkData.org

LinkData.orgはデータ・アプリ・アイデアの作成と公開を支援するプラットフォーム。

「テーブルデータの変換と公開をサポートするLinkData」
「アプリケーションの作成と公開をサポートするApp.LinkData」
「アイデアを公開してつなげることをサポートするIdea.LinkData」
「地域資源の情報の共有とコミュニティ育成をサポートするCityData」
の4つのWebサイトを提供。

LinkData.orgでは日本版DATA.GOVなどの行政一次オープンデータの流通基盤が整備されたことを受け、一次オープンデータからさらに付加価値の高い二次加工データを創造する市民(データクリエータ)を支援して、行政の人材不足をデータ編纂の面から市民が補えるようにすることを目指す。

▽表形式データを様々な形式のファイルに自動変換して公開できるサービス
●テーブルデータ作成 → アップロード → API公開

●公開されるファイル形式
・TSV
・Excel
・RDF/Turtle
・RDF/JSON
・RDF/XML
・RSS
・KML
・R専用TSV
・Simple Data Format

▽国内オープンデータポータル月間アクセス数No.1

▽オープンデータ推進自治体における利用率 30.3%
(現在オープンデータを推進している自治体の数 89)

▽オープンデータ推進市町村数全国カバー率 44.9%

▽オープンデータによって生まれるチャンス
・行政と市民のコラボレーション
・地域資源の発掘、付加価値創造
・質の高い公共サービスの実現
・新規事業の創出


<LinkDataハンズオン>

▽Knowledge Connectorでアイデアを探そう
紙に気に入ったアイデアと選んだ理由も記入→隣の人に紹介



▽アイデアを公開してみよう
Knowledge Connectorに自分の考えたアイデアを公開


▽LinkDataを使ってデータを地図に表示してみよう
最後に、LinkDataを使い、地図上にデータを表示して見ました。



以上で、地域課題やビジネスに活かす!「焦れに学ぶオープンデータ実践活用術」全プログラムが終了となります。
参加者の皆様、講師の長谷川様、下山様、ありがとうございました。


※当日公開されたアイデア等を下山様にまとめて頂きました。
下記リンクからご覧になれます。
http://idea.linkdata.org/idea/idea1s915i



<今後のイベント開催情報>
今月「青森ITビジネスアイデア開発支援事業」により開催されるイベントについてご紹介いたします。
皆様のご参加お待ちしております!

▼『次代を拓くIoTの世界』  
日時:2/20(金) 13:00-17:00
場所:八戸グランドサンピア
開催案内・お申込み⇒http://itidea-aomori.blogspot.jp/2015/01/itiot.html

▼『サッカー×ITインプットワークショップ』
日時:2/22(日) 13:00-17:00
場所:八戸ワシントンホテル
開催案内・お申込み⇒http://itidea-aomori.blogspot.jp/2015/02/it_7.html

▼『サッカー×ITアイデアワークショップ』
日時:2/28(土) 13:00-17:00
場所:八戸プラザホテル
開催案内・お申込み⇒http://itidea-aomori.blogspot.jp/2015/02/it_45.html



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